シャープの電子辞書Brain PW-AC890:その3

 ずいぶん開けてしまいましたm(_ _)m。
 今更ながらテキスト入力環境としてのBrainについて、ポメラとの比較をしてみる。
 まずは可搬性の観点から。収納時の平面サイズはどちらもほぼ同じA6。これは文庫本と同じ大きさだ。厚みはキーボード折り畳み機構の分、ポメラの方がある。重さはBrainは約360g、ポメラは約370gといい勝負。個人的感覚では可搬性はBrainの勝ちだ。ポメラは厚みがある分、たとえばコートのポケットに入れるのも難しいし(公式ページの画像は誇大広告だ(笑))、カバンの中でも嵩張る。もっともBrainもけっして薄いというわけではないし、重さはポメラと同じくらいあるので、ジャケットのポケットだと少々厳しい。コートのポケットならイケると思う。
 電池はBrainが充電池、ポメラは単4乾電池2本。どこででも買える乾電池を重んじる向きもあるが、僕は長時間駆動に有利な専用充電池はけっこう好きだ。実際Brainは非常に電池が保つ印象。あまり使い込んでいるとはいえないが、それにしても入手後今まで数回程度しか充電していないというのは、たいした電池の持ちだ。
 キー入力、テキスト入力のしやすさ。これは圧倒的にポメラの勝ち。ほぼノートPCと同等のキーボードを持ち、ATOKを積んでいるという、ポメラがもっともこだわっている部分だけに、しょせん電子辞書のおまけであるテキスト入力機能ではかなうわけがない。
 画面の見やすさ。ポメラのハイコントラスト白黒液晶は周囲が明るいところではかなり視認性が高く、質が高い。ただBrainのカラー液晶はさすがに見やすく、たとえば暗いカフェで使うといったシチュエーションを考えるとバックライト付きのこちらに軍配が上がる。晴天の屋外ではポメラの勝ちだろう。ただ僕はそういった状況では使わない。
 ファイルの操作性。正直微妙。フォルダ分けが出来る分Brain(テキストメモ)の方がまだマシという程度。これはどちらももう少し改善されてほしい。

 さて、上のような比較を通じていろいろ考えた結果、僕はポメラを手放してしまった。僕の使い方ではBrainがあれば十分であるし、電子辞書とテキスト入力機能が同じ筐体に入っている方が便利と判断したからだ。つまりテキスト入力時の快適性より可搬性その他を取ったということになる。それでもポメラは面白い機械だという評価は変わらない。今後の進化の方向性を楽しみに見守りたい。

 そして、シャープからPW-AC890の後継機的機種、PW-AC900が発売された。テキストメモが標準搭載となったのが大きな違いだが、つまりそれまでの機種でテキスト入力可能となったことへの反響が大きかったということではないだろうか。他のメーカーも追従すると面白いのだけど。

 AC890とAC900の機能の違いについては、次回のエントリで。