シャープ電子辞書Brainシリーズの新機種、PW-AC900

 シャープの電子辞書Brainシリーズに先頃からPW-AC900という機種(以下、900)が追加になっている。PW-AC890(以下、890)と比べて、ハード的にはキーボードレイアウトが少々変わりサブ液晶が大きくなった程度、コンテンツはほとんど変わらずということで、一番の大きな売りはやはりテキストメモを標準搭載としたことだろう。また、Home画面を設けて、辞書と同じレベルで各種アプリにアクセスしやすくなっていることからも、電子辞書に留まらない「付加機能」を売りにしようとしている姿勢の強化を感じる。
 ともかく900の発売は、「電子辞書でテキスト入力ができる」という機能が、マニアックな要望ではなくある程度の(製品化に足るだけの)社会的ニーズがあったということの証明とも言えるわけである。この路線を支持している僕としては好ましいことだ。しかし890を入手してから間もないのに900が出てしまったことには、ちょっと複雑な気持ちである(笑)。
 店頭で触ってみた限りでは、900には次のような感想を持った。

  • Home画面からすぐにテキストメモを起動できるのは便利。890はメニュー奥深くであり、いかにもおまけですという感覚を持たざるを得なかったが、900であればかなり使いやすい。
  • しかし相変わらずテキストメモを使ったまま辞書を参照はできない。これは残念。使用メモリ量の問題などもありそうだが、やはり両方立ち上げて随時参照できて欲しい。
  • また、テキストメモを起動するときに、前回開いていたファイルを自動で開く機能が欲しい。これがあれば辞書との行き来が少しは楽になるのだが。今はいちいちファイルを開かなくてはならず、手間が鬱陶しい。
  • テキストメモは、Ver.1.1.0になっていた。初期フォルダの設定が無くなり(前回を覚えているようになっているようだ)、ファイル名先頭に自動で作成日時がつくのが無くなった(けっこうなことだ)。他にはサブ液晶で入力文字種の変更が可能になっている、というくらいか。
  • 筐体がつや消しの質感になった。黒い筐体(チャコールブラック)は樹脂感溢れており、少々安っぽく感じる。でも890のプレミアムブラックは指紋などの脂汚れが目立ってしまい汚くなりがちなので(苦笑)、実用的には900の方がいいのかもしれない。

 今後もこの路線を継承して、操作性・機能ともに改善していって欲しいものだ。