135フォーマットのデジタル一眼レフに関して

 何の考察もないのにリンクを張っていただいて恐縮。
http://d.hatena.ne.jp/UZO/20050823
 せっかく来てくれた人がなにも読むものがないのも申し訳ないので、35mmフルサイズに絡んだ、何の裏付けもない駄文でも(って意味があるのか)。
 ニコンは現在35mmフルサイズ(以下、135フォーマットと書きましょう)のデジタル一眼は出していない。まずこれはなぜか。
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2004/10/01/181.html
のインタビューでは価格面でビジネスにならないのではという見通しを示しているが、実際のところはどうだろう。いろいろな要因が考えられるが、大きく分ければ二つになる。

  • 実際にビジネス面での戦略(今のニコンの言い分)。つまり技術的には可能。
  • 技術的に良い絵を出すことが困難。

 後者の理由も根強くささやかれている。光の入射角にシビアなイメージセンサーでは周辺部の画像がかなり悪くなり、ピクセル等倍で観賞する機会が多いということと相まって、観賞に値する絵が得られないのではと言われている。Fマウントは径が小さいから対応が難しいのではとか言われると、そうなのかもなという気がしてしまう。
 デジタル機器の価格低下を考えれば、135フォーマット搭載機もあっという間にビジネスになる価格帯に降りてくる(あるいはメーカーが努力して引きずり下ろすと言うべきか)ことは容易に想像がつくわけで、今回のEOS5Dがまさにそうだ。すると、価格面を投入しない理由にするのはあまり説得力があるとは思えない。だいたい初のデジタル一眼レフとしてD1を投入した時のニコンは、価格はどうあれまず市場の先手を取るという戦略をとったのではなかったか。それを考慮すると、今同様の動きに出ないのはやはり技術的な制約が大きいのではと、ますます思えてくる。
 まあ、しかしニコンユーザーとしては「技術的に不可能」とはあまり思いたくないので(笑)、あえて投入していない理由をもう少しひねり出してみると、まずはAPS-Cフォーマットを市場の主流に育て上げたいという意図だろうか。しかし、135フォーマット全盛の時代にも中版ユーザーが根強くいたように、普及機にはAPS-Cフォーマットでいいとしても、ハイエンドの世界ではよりセンサーのサイズが大きなデジタルカメラの需要はあるはずだ。ましてや今までの感覚で使える135フォーマットはその潜在的な要求はそもそも高い。あえて高級機の世界でまでAPS-Cフォーマットにこだわる理由としては弱いように思える。もうひとつは、135フォーマットフルサイズの機種を開発している余力がないということか。これは・・・けっこう可能性は高いかな(苦笑)。でも来ないとも予想されていたF6を開発・発売したことを考えると、ニコンはやるとなればやるメーカーだとも思うのだが、どうだろう。
 と、つらつら考えていると、どうも技術的制約の可能性ばかりクローズアップされてしまうわけだが、まあ、ニコンが断言しない限り結論は出ない。自分自身が買うかどうかはまったく別にして、自分が使っている機材の規格に「技術的な限界がある」とはあまり思いたくはないし(笑)、一部に言われている「F6の筐体でデジタル化」を実行して、証明してみせてくれないかな。