いまさらWindows VISTA(その1)

 Windows VISTAがリリースされたのは2007年1月30日ということだから、世に出てからちょうど2年になる。
 しかし僕は自分が使っているPCにVISTAは入れてこなかった。VISTA発売後に買ったPCもXPインストール版にしてきた。
 ところが最近、自宅作業用のノートPCを新調する必要があった。XP版(ダウングレード済み)にするという手もあったし、かなり強くそうしようと思ったが、購入寸前で思い立ってVISTA搭載版にした。

 いままでXPを使い続けてきた理由は簡単で、まずXPに不満がなかったこと、そしてVISTAの新機能に魅力を感じなかったことだ。
 XP以前のWindowsには、なにがしか不満があった。XPにたどり着く道は、要はその不満が解消されてきた道であったと思う。
 まず安定性である。Windows3.1以降、GUIベースのOSは、使いやすさと引き替えに、複雑化を要因としてアプリケーションや場合によってはOSごと落ちることもしばしばだった。それが32bit版、特にWindows2000の登場以降は、満足がいく安定性が得られるようになったと思う。
 もう一つは使い勝手である。特に、多くの機器のドライバが標準で用意されること、プラグアンドプレイでそれらの機器が少しでも手間が少なく使えるようになることは重要な要素であったが、32bit系でも一般にも普及しだしたWindows2000ではずいぶん解決されたし、XPで16bit Windowsの流れも統合され、メジャーOSとなってからは、使い勝手の面も申し分なくなったと言っていい。
 実はXP登場時も「2000で不満はないからXPに乗り換える必要がない」と思った。動作が遅い、メモリ喰いであるという評判も移行をためらう要因だった。しかし意外に早くPCを買い換えなくてはならない時期がやってきて、XPを使い始めてみたら、やはり便利だった。安定性は2000から引き継ぎ、使い勝手は向上していることが感じられた。動作の引っかかりはGUIをクラシックスタイルにすれば解決したし、メモリは安くなった(笑)。画像(写真)ファイルのフォルダ内サムネイル表示は、写真を趣味としだした時期と重なって、明らかに恩恵と感じられた。
 しかしそこまでで十分だったのだ。OSの充実に伴って、PC環境を整備することへの知的関心が薄れ、趣味の対象から単なる道具へと僕の中での位置づけが変化していったことも、その後に登場したVISTAへの興味が薄かった理由として大きい。
 それでもWindows VISTAにそれ以上のメリットがあれば、もっと早い段階で触れてはみたろう。しかし聞こえてくるのはメモリ喰い、動作の引っかかり、ユーザー管理の強化と引き替えのアプリケーション動作のトラブル、GUI変更によるとまどいなど、乗り換えをためらわせる情報ばかり。気がついたら発売後ずいぶん経ってしまっていた。

 いまさらVISTA機を導入しようと思い立ったのも深い理由ではない。
 好もうが好むまいが今後のWindowsVISTAの延長上にあるわけだし、PCのスペックもかなり向上した。そろそろVISTAの設計思想に慣れておこう。新しいノートPCを購入するにあたって、そう考えたのだ。

 そしてPanasonic Let's Note(W8)をVISTA版で購入したのだった(しかしLet'sノートという愛称はいつまで経ってもダサく感じるなあ…)。