システム手帳からルーズリーフへ

 思い立って普段使っているA5ノートを、システム手帳(リング数6、つまりリフィルは6穴)からルーズリーフ(同じく20穴)に変更してみた。特に重大な理由があって替えたわけではない。でも、あえて言うなら、A5のシステム手帳になんとなくの窮屈さを感じていたから、かもしれない。
 例えば家ではせっかくのノートを今ひとつ広げることがなかった。あるいは外でも、どこでも持って行ってあれこれ書き込むというわけではなく、なんとなく遠慮がちに使っていた。どうも「大きくて立派な手帳」を人前で広げるのに大仰さを感じていて、少し恥ずかしいという感覚があるみたいなのだ。電子機器の類は人前で使っても平気だし、いい年してマンガ(雑誌でも単行本でも)を電車中で読んでも別にどうということはない人種なのに、我ながら変な話だ。まあ、感覚の偏りの問題かもしれない。いずれにせよ、ルーズリーフのバインダーならカジュアルな雰囲気で開くのに抵抗感が減りそうだと思ったのだ。
 もう一つは、たまに行く「無印良品」で見かけるA5のルーズリーフが以前から気になっていたというのもある。特に(樹脂製のものではなく)黒いボール紙によるバインダーは、これなら「カジュアルさ」と仕事時に使うものとして欲しい「落ち着き」とが両立しているなと思っていたのだ。で、先日、ついに「それほど高くはないものだし」と買ってしまった。使ってみてシステム手帳と比較して、使いやすい方で続ければいいやとも思い。それでも、しばらく躊躇していたのは、今まで書いてきたものの継続性がなくなることと、どうせ同じA5だから使い勝手にそんなに差がないだろうなと思っていたことによる。
 しかし実際に使い始めてみると、意外に使い勝手に差があるように感じてきた。
 まずバインダーのリング数の差。20穴にしてみると、もとのものに比較してリフィルのがたつきが少なく、スムースにめくれるのを感じる。これはリング径が少し大きくなったからと言うのもあるが、これも大事なポイントの二つ目で、今までよりもたくさんのリフィルを入れられて良い。システム手帳の方をリング径が大きいものに替えようかとも思っていたが、新たに買うには高い、リング径が大きいものは僕が嫌いなベルト無しのものが見あたらない、重い、といろいろな問題があって踏み切れないでいた。全体に、手軽さが増したのが実感できる。つまり結構乗り換えて良かったのかもしれない。
 まあ、若干のデメリットというか後退点もあるが、たとえば、A5のルーズリーフはリフィルの種類が少ないがどうせ無地や方眼のものに自分で印刷するからいいやとか、それなりに解決策があるので、今のところ大きな問題ではない。
 こういったシステム構築のプロセスが楽しいのだから、それを存分に味わっておこうと思っている次第。というか、それを楽しみたくて変更したのが、一番大きな理由なんだよな、結局。