ペン先の調整

 パイロット カスタム845。ペン先はF。

 万年筆に興味が湧いた初期に購入した品だ。エボナイトに漆塗りの大柄なボディはけっこう気に入っている。
 しかし今まであまり使ってこなかった。ペン先の太さが中途半端だったのだ。Fといえども少々太めで、仕事で緻密に書きたい局面で今ひとつしっくり来ない。しっくり来ないものは、使い込めない。せっかくいいペンなのに、道具は使ってこそなのに、もったいない。ずーっとそう思ってきた。
 そこで思い切ってパイロットのサービスセンターに細く研いでもらえないか問い合わせてみた。返事はすぐにもらえ、点検の基本料金1260円でやってくれるとのこと。郵送でも受け付けてもらえるが、東京は京橋にペンステーションという窓口があるので、どうせならとそこに行ってみることにした。ちょうど仕事の都合で定期的にその近くを通るのが幸いした。
 依頼して一週間弱で戻ってきた。平塚の工場で職人が研いでくれたらしい。
 結果をいえば、大満足である。きっちり細くなっており、しかもひっかかりはない。インクのフローが渋くなっているわけでもない。書き味は良好。ペン先を眺めても美しいシルエット。こんなことなら早く依頼すればよかったと思うことしきりである。
 これでこの845がエースとして活躍してくれそうだ。