万年筆ユーザーの本

ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!―私が選んだ一本の万年筆
編者のブログ
 万年筆ユーザーの思い入れを集めた本。僕には面白く読めた。が、楽しめる人を選ぶ本だと思う。
 この本の関係者(万年筆マニアで、マニアの集まりに参加している人)は当然楽しめるだろう。僕のように、集まりにまでは参加してはいないが万年筆関係のムック・ブログを読みあさっていてかつ他のユーザーの使い方・思い入れにも興味がある人も、楽しめるだろう。
 一方、万年筆を即物として好きではあるが、他のユーザーの思い入れなどには興味がないという人には、鬱陶しい内容と感じられるかもしれない。そして、もともと万年筆に興味がない人には理解しがたい世界だと思う。もし今まで万年筆を使っていなくて、この本を読んで使いたくなったのであれば、その人は万年筆的な世界(道具への思い入れ)に馴染める素質をもともと持っていたのだと思う。
 WEBにはあまり情報はないが、万年筆クラブ「フェンテ」という同好会がある。会長がコツコツと手作りで年3回の会報を作成・配布している会だが、そこそこ歴史があって交流会などはとても盛り上がるらしい。実は僕も末席にいて会報を読んでいたりする(交流会には行ったことはない)。時に素人文章に辟易することもあるが(苦笑)、ユーザーの思い入れ溢れる会報の記事は興味深い。そして、この本は万年筆への思い入れが詰まっているという意味で、会誌の豪華版だと思う。つまり豪華な同人誌なのだ(笑)。
 褒めている文章には思えないが褒めてます。現代においては万年筆は趣味の世界なのだから、関連書籍が趣味や思い入れを前面に出さなくてどうする。